“待って”
そう言ってその小さな背中を引き止めそうになったのは、告白の返答ではなく、十叶の横に並んだ男の名前を聞き出そうとしたから。
思わず口を噤んだけれど…、るりの告白の事を考えるだけのスペースが、今の俺の頭にはない。
『…誰だよ、そいつ…』
小さく舌を鳴らして、目頭を抑えた。
そう言ってその小さな背中を引き止めそうになったのは、告白の返答ではなく、十叶の横に並んだ男の名前を聞き出そうとしたから。
思わず口を噤んだけれど…、るりの告白の事を考えるだけのスペースが、今の俺の頭にはない。
『…誰だよ、そいつ…』
小さく舌を鳴らして、目頭を抑えた。



