「ふー」



教室の空から飴色に染まっていく空を眺めた。


空はいつだって綺麗。
朝日や月夜は特に。


でも、私は一番夕日が好き。



今みたいに飴色の時もあれば、黄金のように輝いてたり、ごくまれに紫やピンクに染まることもある。
そんな日はちょっとした不安感と同時になぜかわくわくしたりもする。



空があまりにも綺麗で携帯で撮っては見たものの、自分で見ている景色と写真で見る景色は全く違って。




うー、と小さく唸る。




時間は午後16時。



つい先日、バスケ部マネージャーを引退した私には学校が終わった放課後の時間は平和で至って暇な時間となった。




後ろで扉が勢いよく開くと「みくー」と明るい声が私の耳に響く。



「はな、かほ。もーどこいってたのー、探したんだよ?」

「うちもかほ探した」

「あたしもミク探してた」



お互いがお互いを探し合って入違ったことに私たちは噴き出して笑った。



茶色が勝ったロングヘアーをなびかせるかほと、ミディアムくらいの髪を一つに束ねているはなの近くに座ると制服のシャツの袖を捲る。


放課後、誰もいなくなった教室で日が暮れるまで話をすることが私たちの日課になりつつあった。




空っぽの教室。
微かに吹く心地いい風。




うわぁ、太陽がすごく綺麗。


オレンジ色の雲一つない空。
それは沈もうとする太陽をより一層輝かせていた。



でも、直に見るから綺麗なんだよね。



「そういえば、会長とももかは?」

「ハナ会ってなかった?」

「掃除前にあっただけ」

「私さっき会ったよ。あやは生徒会の仕事、ももかは課題出しに行ってる」

「「なるー」」



かほ達4人とは高校で出会って仲良くなった。


入学時、同じクラスで席が近いのがきっかけだった。
お互い好きなものやアイドル、所属する部活はそれぞれ違ったけどそれが私達を引き付ける要素となった。




かほは1年のころから無断バイトをバリバリ頑張ってて、はなはバトミントン部、あやはバスケ部、ももかはバレー部と忙しく頑張ってた。



そんな中、私はというと何もしていなかった。


特にしたいと思う部活もなくて。
ぶらぶらと帰宅部を考えていたところ、あやにバスケ部のマネージャーに誘われて入った。



それからは青春一直線。