「ミリア」

誰かが私の名前を呼んでる。
声のトーンから男性だと理解できるが、人物までも想像はつかない。
目を瞑ったままの状態から、少しずつ目を開いていく。

「...ぇ?」

目を見開くと、私自身の部屋じゃない何処かの部屋にいたのだ。
アンティークな雰囲気な場所、と言っている場合じゃない!

「ここ何処なのよ」

ベッドから降りようと体を起き上がらせた時だ。

ザシャッ!

ナイフが飛んできたと思えば、顔の真横を通り壁に刺さった。
飛んできた方向を見ると、そこには誰かが立っていた。