文房具屋さんに着き、成実ちゃんとアツヒロくんは消しゴムを探しに行ったので私も目的の物を探した。
一緒に付いてきてくれる中原君にドキドキしながら店内を探す。


「鉛筆?四Bって何?」

中原君は私の手の中の鉛筆を見て質問した。

「あ、これは色の濃さを表しててね。鉛筆にHBがあるのはわかるよね?Bの数字が大きくなるにつれ、色も濃いの。Hの方は、数字が大きくなるにつれ、色が薄くなってんだ」

「へぇー。鉛筆ってHBだけだと思ってた」

「芯の硬さの違いで違う濃さがでるんだよ」

「西野、詳しいな。それ何に使うの?」

「……実は趣味で鉛筆画を描いててね……」

恥ずかしくて照れながら答える。

「へぇー、すげぇ!今度見せてよ?」

「いやいやいや!お見せできるほど大層なものは描いてないから!」


昔から絵が好きな私。
絵を描いていると落ち着くので描き始めると知らない間に三時間経っていたってこともある。
鉛筆画が好きな理由は、色が無いところ。
どんな色をしているか想像を掻き立たせてくれる。
人によっていろんな色に見えるところが好きになった。
上手くはないけれど、胸を張って趣味だと言えるものが『鉛筆画』なんだ。