「ごめんね、瑞季。邪魔しちゃったかな?」

成実ちゃんはまだニヤニヤしている。

「邪魔なわけないよ」

このやり取りに慣れてきた私はいつものようにポーカーフェイスで冷静に流す。

「でもね、見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうくらいだったんだから!人前で見せ付けないでよっ!」

「……ただ会話してただけじゃん」

「あれがただの会話……」

目を細めて言う成実ちゃん。

「そんなことより、これからどこいくの?」

もう弄られたくないので話題を変えようと試みる。

「ん~、そうだね。どうしようかー。ゲーセンでも行くか!」


成実ちゃんの提案でゲーセンに向うことに。


ゲームセンターの店内は沢山の音がガンガン響いて混ざりあって煩すぎるほどの賑やかさ。
アツヒロ君が四人で出来るレーシングゲームを見つけたので対決することになった。


「女子にはハンデ付けた方がよくない?それに私、ゲームなんてまともにやったこと無いんですけど?」

成実ちゃんが提案した。
確かに成実ちゃんってゲームに興味なさそうだもんね。

「男の子ってゲーム得意だもんね」

私が言う。

「じゃ俺達は五秒遅れでスタートするか」

アツヒロ君の提案した。
中原君がそれに「だな」と頷いた。