「あんな安いもので良いの?」

「うん。だって西野まだバイトもやってないし、携帯買うだろ?」

「そうだけど……」

「じゃあ来年はもっと良いもの頂戴?」

「わ、わかった」


中原君達にお店の外で待っててと告げ、私は板ガムを取ってレジに並ぶ。


さっき彼が言ってくれた言葉……


『来年はもっと良いもの頂戴?』


彼は何気なく出した言葉だったと思う。


『来年』も私は傍にいても良いんだ。


そう考えたら嬉くなって、私の胸の動悸は中々静まらなかった。