「勇馬!私はバスケ部入るから仲良くやって行こうぜ~い!」

そこに亜由が入ってきて勇馬の肩をポンと叩いた。

亜由とは小学校の時はクラスは違ったけれど、私が途中入部した時からバスケ部に在籍していたのでそこから仲良くなった。

「貴方には可愛い乙女の亜由ちゃんがいるよ?」

亜由が両指を絡めてキャピキャピぶりっ子モード。
そんな亜由に勇馬は顔を顰めた。

「うぇ…キモっ!」

「なにおぅ!?」

「二人とも、もう校門前だから本当に静かにしてね」

二人が騒いでいるのが控え目な性格の理沙ちゃんには気になったようで、少し低めのドスのきいた声で二人に言うと、二人は黙りこんだ。

理沙ちゃんとは小学校が同じだったけれど同じクラスになったことが無かった。
彼女は部活にも入ってなかったから何の繋がりもなく、顔は知ってはいたけれど話をしたことはなかった。
中学三年の時に皆同じクラスになって、誰とでもすぐ友達になれる亜由が理沙ちゃんと仲良くなった。
亜由が理沙ちゃんを巻き込むように「人類みな兄弟!」と強引に私達の輪に入れていって、休みの日には四人で遊んだりするほど仲良くなった。

だから皆、私の人見知りの性格も把握しているし、私も皆もお互いの性格を知り尽くしているのだ。