一期一会

「私?」

「うん」

「……内緒だよ?誰でも言わないでよ?」

「うん、言わない」

成実ちゃんは机から身を乗り出して私の耳元に口を近づけると、彼女の口からはまさかの名前が飛び出す。


「実はね、アツヒロのことが好きなんだよね~」

彼女は笑顔でほんのり頬を赤らめている。


「えええ!!!???何で!!!???」

「紘子と同じ反応」


私の反応に成実ちゃんはムスッと不機嫌な顔になった。
どうやら紘子ちゃんも私と同じ反応をしたらしい。


「いや、だってほら…なんか…アツヒロ君って、どうなんだろうって……」


アツヒロ君……
苗字もわからないんだけれど……

金髪にピアス、だらしなくシャツがズボンからはみ出しているし、ズボンもダラっと履いていて、見た目は確実に風紀に引っ掛かるような風貌。
実際いつも担任に髪の毛の色を注意されているところを見掛ける。
授業は結構な確率で寝ているので、これまた先生によく注意されている。

まぁここまでは言いとして。

とにかく色々な女子と戯れているところを見かける。

絶対にタラシだと思う。

見た目から言って、とにかくチャラそうで、なにより良いイメージが無い。