一期一会

「それか黒い噂は違う人から聞いたって、見ず知らずの他人のせいにしたか。何にしても、楠木はとにかく腹黒くてあざとい女!あぁ!あんなヤツに騙された自分にも腹が立つわ!」

成実ちゃんは突然眉間にシワを作って怒り震え出した。

「でも私はこれで大人しくなってくれたならそれで良いんだ」

私は成実ちゃんを宥めるように言う。

「瑞季、アンタは優しすぎ。私だったらあの子の本性を全校生徒にバラして、ここに居れなくさせてやるけどね!」


彼女は背筋がゾクっと凍るような程の恐い笑顔をしていた。

成実ちゃんだけは敵に回しちゃ駄目だと本能的に感じた。




そして放課後。

楠木さんは終礼の鐘が鳴るとすぐに教室を出て行った。
私はその姿を確認し、ホッと一息つく。

結局今日は私に一切接触してこなかった。
安心はしたけれど無気味さも残る……。