とにかく沈黙が辛くて、

「そ、それにお恥ずかしいですが、生まれてから、彼氏なんて出来た事ないです……」

更に続けて今度は自虐的に頭を掻きながらアハハと乾いた笑いを出した。

私は心臓をドキドキさせながら彼女の言葉を待つ。


「ぷっ、あははははっ!」


すると彼女は手を叩いて声を大きくして笑い出した。


「やっぱり西野さんって面白い」

彼女は目元を人差し指で擦りながら、首を少し傾げて微笑んだ。


「やっぱりそうかー……大人しそうな子だからオカシイって思ったんだよね。男たらしだって聞いたのに、話してるのだって中原君だけみたいだったし?まともに信じた私が馬鹿だったわ。人から聞いた情報じゃなくて自分でちゃんと確かめれば良かった」


彼女の反応に少しずつ安心して緊張が解けていき、私の言葉を信じてくれた事に胸が熱くなった。


「ううん。面倒臭い人には関わりたくないって思うのが普通だよ」