「みんな、知ってるよっ。瑞季の、きもちっ。だって、二人、つきあってた、でしょ」

「え?」


どうやら未だに成実は勘違いしてるようだ。


「何言ってるの。私達は付き合ってなんかないよ」

私は薄く笑いながら答える。


「え?」


成実は私の言葉に目を見開いた。


「え?だって、中原君が……」

「中原君が、どうかしたの?」


成実は未だに呆然と私を見つめる。


「だって、中原君に、聞いて……」

「え?」


その言葉に今度は私が目を見開く。


「聞いたって……何を……?」


成実も私と同じで呆然としている。


「瑞季と、付き合って、るって……、中原君が……」


その言葉に私は更に目を見開いた。


「え?」

「だから、瑞季と、中原君が付き合ってるって…中原君から、聞いたの……」



え?





私と、


中原君が?


つきあっていた?



中原君が、言っていたって……?




「だから肝心なこと言えって言ったんだ」


いつの間にか隣にアツヒロ君が立っていた。