「瑞季、本当に良い人過ぎるよ……。放っとけば良かったのに……」

成実ちゃんは目を細く、して私が楠木さんを助けたことに未だに納得行かない様子。


「だってクラスが変な雰囲気だったら嫌じゃない。楠木さんには嫌なことされたけど、仲良くやっていけるなら仲良くしたいって思うんだ」

「凄いね、瑞季は」

すると成実が驚いて返す。

「まぁ確かにクラスの雰囲気は最悪だったね」

紘子ちゃんが呟く。

「この後、どうなるだろ。小野田ちゃんと」

成実ちゃんが問い掛ける。

「仲良くは…無理でしょう。誰かがどうにかしてあげるしか無さそうだよね」

諦め顔の紘子ちゃん。


確かにあの様子じゃ無理だと思うよね。


「どうにかしてあげるか」

「「え」」


私の言葉に二人が驚いて私の方へと振り向いた。


きっと今、楠木さんを助けてあげられるのは私だけ。


楠木さんが私にしたことは許せないけれど、彼女だけ悪者になってるこの状況はおかしいと思うから。