とりあえず成実ちゃん達に状況を訊こうと思い、席に戻ろうとするとそこには小野田さんの姿が見えた。


「おかえり、瑞季。びっくりしたでしょ」

席に戻った私に成実ちゃんは驚いた表情で言った。

「楠木さん、どうしたの?」

「皆同じこと思ってるよ。さっき突然泣き出したんだもん」

紘子ちゃんも驚いている様子。


「あれだけ他人の悪口言いたい放題言っといて一人になったら泣き出すなんて卑怯でしょ」

小野田さんがキレながら言った。

「泣けば誰かが助けてくれると思ってるんでしょ。あんなヤツ、誰も助けてくれないよ。ずっと一人で泣いてれば?って感じ」

更に続けた。

「本当だよ」

成実ちゃんが頷きながら同調する。

「複数だと攻撃的になるけど、単体だと何も出来ない。まさに楠木さんはそのタイプのイジメッコだね」

紘子ちゃんが納得するように呟いた。


確かに楠木さんはそのタイプかも。
一人の時は睨むしかしないし、嘘を流して孤立させて周りから攻撃するしかしなかったし。


「人の悪口言って居場所作ってたんだから。いずれこうなったんだよ」

成実ちゃんも突き放したように言う。