毎放課聞きたくなくても聞こえたはずの彼女の笑い声は今日は一切聞こえず、むしろその姿すらも教室には無かった。


それから昼放課。


「ちょっと購買行ってくる」

一つの机を三人で囲む中、私は財布を持って立ち上がる。

「まだ食べるの!?」

成実ちゃんは私に呆れた顔をしている。

「足りないんだもん」

「冬眠に入る熊のようだね」

紘子ちゃんはジュースを飲みながらさらりと毒を吐く。

「あはは……」

乾いた笑いを出した後、一人で購買に向かう。

最近、食欲がヤバイ。
これから寒くなってくるからかな。
だから身体が脂肪着けたがっているのかな。

でもお腹が空くんだもん!
デザート気分で甘い物が食べたいな!

私はチョコチップメロンパンを買うと来た道を戻る。
だがるんるん気分で教室のドアを開けた瞬間、固まってしまった。




「うぇ……っ、う……っ」


誰かが泣いている……?


教室に響き渡る嗚咽。

クラスメイトも驚いているのだろうか。
静まり返っている。


教室内の異常な状況に私は暫く固まってしまったが、状況を把握しようと見渡すと嫌でも目立つ孤立している女子。


楠木さんか……。