一期一会

私はそんなアツヒロ君を見て唖然とするしかない。


「ちなみにさっきのは冗談。ずっとドス暗い顔してるから笑わそうと思っただけ」

ドス暗い……

アツヒロ君が気になっちゃうくらい酷い顔しているのか、私……。

ってか、それよりもっとマシな笑わせ方あったでしょ……。


「付き合おうなんてアンタが言うと冗談に聞こえないから」

「西野なら信じないと思ったし。それに男を殴る女なんて俺はお断り」


イラッ!
こっちだってお断りだから!

というか、この男って女に優しいんじゃないの!?
成実ちゃんが優しいって言っていたけど、さっぱりわかんない!

私には何でいっつも辛口なワケ!?


「ねぇ、聞きたいことあるんだけど!」

私は勢いよくアツヒロ君へと振り向くとこちらを見ていたようでアツヒロ君は少し驚いた表情を見せる。

「……何、聞きたいことって」

でもすぐに無表情になった。

いきなり振り向いたからびっくりさせたのだろうか。
ま、なんだって良いけど。


「アンタ、女の子には優しいんじゃないの?私には優しくないよね」

「お前は初めから論外だから」

アツヒロ君は何故か私から視線を外して正面を向いたがキッパリと答えた。

「は?何で?」

「……何となく」

アツヒロ君はそう言うと無言になる。


何となくって……意味わかんない。