一期一会

二周目を越えてから負けず嫌いな人が無理して走っていたのか一人、二人と集団から減っていく。

三周すると一周遅れの成実ちゃんと紘子ちゃんを追い抜いた。

「瑞季はや!」
「ファイトー」

……二人もね。

あぁ…胸が苦しい……ラスト一周、キツイ……。

でも、中原君に出来るところを見せたい。

私は日頃の運動不足で鈍った身体を叱咤しながら無事に走りきった。


ぜーはー、ぜーはー……

流石に一位にはなれなかったが、私は根性で三位でゴールした。

中学よりかはタイムがかなり落ちていたけれど頑張った。
高校に入って一番本気出したかも……。

とりあえず目標は達成……。
潮田さんには勝った……。


中原君、見てくれてたかな……。


そう思い、先程中原君が居た方向を見るが彼は居なくて。

あれ……?見てくれるって言ったのに……


「西野」
「うわっ!」


突然真後ろから探していた人物の声が聞こえてきて驚いてしまった。

「驚かせた?ごめんごめん」

少し眉を下げながら中原君は謝る。