一期一会

中原君は華麗なスタートダッシュ。
スピードは緩むことなく、それどころかぐんぐんスピードは増していく。
そして中原君は一番でゴールするとファンの子達は歓声を上げた。

朝練を覗いて気付いたんだけれど、中原君って足が速い。


「こりゃモテるわ」

成実ちゃんが呟く。

「だね」

紘子ちゃんは頷いた。

だよね。私もそう思う。


「そういえばウチラの次の種目は何だろ?」

紘子ちゃんが訊ねた。

「さっき先生が一〇〇〇メートル走だって言ってたよ」

私が答える。

「うわ…帰りたい……」

うんざりそうな顔になる紘子ちゃん。

「私は歩くわ」

全くヤル気の無い成実ちゃんと紘子ちゃん。

今年から帰宅部になった私も適当にーー


「西野」


そこに突然聞こえた声。
勢いよく振り返ると、

「中原君!」

次の種目に移動中なのか声を掛けられた。