一期一会

「楠木、またグループ変えたね」

あ、ホントだ。
昨日は違う子達といる。


「何かやらかしたんじゃないの~?うちらに危害を及ぼさなかったらどうでも良いよ」

成実ちゃんは吐き捨てるように言った。

「確かに」

紘子ちゃんが納得して呟き、それに私も頷いた。


うん。私ももう関わりたくない。

そう思って楠木さんから視線を外すと……


あ。
中原君。


どうやら今から一〇〇メートル走のようだ。


「中原君カッコイイ!」
「キャー!」


むむむ。


「中原君、モテモテだねぇ」

女子の黄色い声を聞いた成実ちゃんが言った。

初めて他のクラスの中原君のファンを見た。
本当に居たんだ。

私達のクラスも合同の体育の授業だったら、毎授業こうなってたんだろうか。


「モテる男も大変だね」

紘子ちゃんが染々呟くと、スタートの合図のピストルの音が響いた。