一期一会

「俺も来年言われるかな。妹が受験生だから」

「妹、いるんだね」

「弟もいるよ。ちなみに皆、誕生日一緒。凄くねぇ?」

「兄弟全員一緒って凄いね!」

三人同じ日に産み落とした中原君のお母さんが凄すぎる。

「だろ?」

「あ。でも私は嫌だな……」

重大な事に気付いた私は溢す。

「何で?」

「だってバースディケーキ、一回で終わっちゃうじゃん!沢山食べたいじゃん!」

「あははっ!西野っぽい答え」

私の言葉に中原君は笑って返した。

「そういえば中原君はどう?バイク買いたいって言ってたよね?」

「あぁ、夏休み中には買えそうだな。原付だけど」

「凄いね。早く買えるとーー「ナカトモ!」


そこに私達の会話に割り込む声。
そちらに向くとギャルの河本さん。
こちらを見てニッコリと笑っている。

ナカトモ……『中原智也《なかはらともや》』だから『ナカトモ』なんだろうか。


「ちょっと今良い?」

河本さんが笑顔で訊いた。
でも今、私が話して……

「智也!ちょっと来て!」

そこに今度は後嶋君が廊下から中原君を呼んだ。

中原君はその言葉を聞いて私の方へと顔を向けた。

でも、私が独り占めなんて出来ない……。

「どうぞどうぞ。私の事は気にせずに」

私は本音を隠して譲る。

「悪い」

中原君はがそう返すと教室に入って来た河本さんに連れられて廊下に出ていった。


暇になってしまった私は成実ちゃんと紘子ちゃんのところへ戻ることにした。