一期一会

苦手な教科だからいけないのかもしれない。

違う教科に変えよう!

そう思った私は鞄を漁り国語の教科書を出す。

「あれ、教科変えるの?」

すると中原君が訊いてきた。

「うんっ、気分転換しようと思って」

私のドキドキ、バレていないだろうか……。

「そっか。俺はちょっと休憩しようかな。西野もしよ?」

時計を確認すると勉強し始めて一時間は経っていた。

「そうだね。小腹空いたし」

ドキドキを鎮めるためにも休憩しましょう。


私達は席を立ってレジに向かう。


「西野、どうせ甘い物だろ?」

「勿論。疲れた脳には糖分だよ」

「西野は疲れてなくてもいつでも食べれるだろ?」

「バレた?」


ふざけ合いながらレジに並んで、私はチョコの付いたドーナツ、中原君はウィンナーの入ったパイを買って席に戻った。


「美味し~い」

私はチョコが半分だけかかっているドーナツを頬張る。

「ホント、幸せそうに食べるな」

中原君の顔は少しだけ呆れているように見える。

「だって幸せだもん」

でもチョコがもっとかかっていて欲しいけど。

「そのペンケース。使ってくれてるんだな」

中原君は私のペンケースを指差した。