「ケーキ凄く美味しかった……。ペンケースも大事に使うね……」

「あぁ」

「気をつけて帰ってね」

「西野もな」

「私はすぐそこだから……」

自分から自転車を降りたけれど別れがたくなってきた。

「また明日」

「また、明日……」

中原君は私に手を振った後、階段を下りていった。

私は彼の背中を見えなくなるまで見送った。


家に帰り、今日みんなから貰ったプレゼントを眺めるとまた嬉しくなった。

そして二人で撮ったプリクラをこっそり財布に入れた。




好きな人と過ごせた誕生日。


好きな人に沢山おめでとうを貰った。


生まれてから一番幸せな誕生日だった。