一期一会

残されたケーキを私はあっという間に平らげる。

「食べるの、はや。小さいのによく入るな」

中原君は私の食べっぷりを感心した。

「この後、どうするの?」

気になって訊いてみた。

「ショッピングモール行こう?」

「ここからは目的地教えてくれるんだ?」

「ここがメインだからな」

ショッピングモールは自転車ならここからそう遠くない。

夕飯前に別れるなら、あと二時間くらいしかないしね。


「じゃ食べたし、行くか」

中原君は伝票を掴むとスタスタとレジへと歩いていく。

「えっ、ちょっと待って!」

慌てて鞄を持ち、彼を追い掛ける。

「奢らせて。今日は誕生日だろ?」

だけどレジの手前で財布を出すとそう言われて。

「わかった……ありがとう」

「そのかわり、来年期待してるから」


来年……


「うん!」


お店を出て、彼にもう一度「ご馳走さまでした」とお礼を言った。

そして私達はまた自転車に乗る。


緊張タイム、再スタート。