一期一会

数分後、ケーキと飲み物が運ばれてきた。
ケーキは見た目も綺麗で美味しそう。

店員さんが去ると中原君が、

「改めて、誕生日おめでとう」

私の好きな優しい笑顔で言ってくれた。


「ありがとう」

私は胸のドキドキを感じながら心からお礼を言った。


「誕生日だから、西野が先に食べて?」

促されてフォークを持ち、まずチョコケーキをパクリ。
口の中にチョコの甘さが広がる。

「美味しい!」

「こっちは?」

次にモンブランも薦められたので、パクリ。

「こっちも美味しい!」

「良かった」

彼は安心したような微笑を浮かべると、二つのケーキを一口ずつ食べてフォークを置いた。

「美味しいけど、甘い……。あと全部食べて」

そう言ってコーヒーを啜る。

どうやら彼は甘いものは苦手らしい。


「そんなに甘いものが苦手なら私の分だけで良かったのに……」

「あんなに迷ってたくせに。それに誕生日だろ?」


もしかして……私のため……?


笑顔の彼を見たら益々胸は熱くなる。