一期一会

私は心を決めると中原君の肩に手を置いて、後輪の真ん中についている出っ張りに足を引っかけて立ち上がる。

後ろの席に腰掛けるように座ろうと思ったが、そこへ座るとお尻が痛くなるし、彼の腰あたりに掴まることになる。
きっと座る方が密着度が高い。

ということで、後ろに立つことにした。


「乗った?」

「乗りますた!」


緊張しすぎて噛んじゃった……。


「すたって……」

それを聞いた彼はクスクス笑う。


「ちょっと噛んじゃっただけじゃん……」

それに少しムスッとして返す。


「悪い悪い。んじゃ、行くぞ?しっかり掴まっとけよ?」


中原君は自転車を漕ぎ出した。


今の私の顔は真っ赤だろうな。

心臓が有り得ない速さでバクバク言ってるもん。


でも、この状況は有りだったかも。

だって前に乗っている彼には私の顔は見えないし、中原君には凄く近いから……。