「さっきアツヒロとチューしちゃった」
「チュウ!!??」
アツヒロ君と二人でお昼を食べに行っていた成実ちゃんが席に戻ってくると耳打ちでこっそり私に告げた。
「しっ。声大きいよ、瑞季」
成実ちゃんは人差し指を口の前に立てた。
その内容に驚いた私は思ったよりも大きな声が出てしまったようだ。
「ごめん……でもそりゃ驚くよ……。早くない?」
だって付き合い始めたの、今日の朝だよ?
「でも皆こんなモノじゃないの?」
「そう、なのかな……」
付き合ったことのない私にはわからないけれど……。
「早く瑞季も中原君とチューしちゃいなよ。あっもうしてたりして」
「……何でそうなるの。それに私達はチューするような仲じゃないです」
「ふふっ。幸せな気持ちになるよ?」
成実ちゃんは頬を染めながら笑った。
その日の帰り、アツヒロ君と成実ちゃんは仲良く手を繋いで帰っていった。