二階に上がり、タツミの病室の真下の部屋に桃は飛び込んだ。
そこは、タツミの部屋とは違う個室だった。
桃が驚いて部屋を見渡すと、窓際のベッドが見えた。
シーツが綺麗に敷き直され、新しい患者の到来を待っていた。
(遅かったんだ)
桃は立ち尽くしたまま、呆然となっていた。
そこで背後から声がかけられた。
「病室、お探しですか?」
振り向くとまだ若い、見習いの様な看護婦が立っていた。
桃は口ごもりながら言った。
「ここに昨日まで入院してた人は、もう転院しちゃったんですか?」
看護婦は驚いた顔をして、それから無機質に悲しい顔をして言った、
「お知り合いの方ですか?」
「はい、奥さんに良くしてもらってたんです」
看護婦は一瞬悲痛な顔をして桃を見つめると、いたわる様な声で静かに言った。
「そうでしたか、守屋婦長に。もしかして以前小児科にかかられてた方ですか?」
「えっ?いえ、そうじゃないんですけど…」
桃は本当に何が何だかさっぱり分からなくなった。
「ご存知なかったんですね。ご主人は今朝、ご親戚に看取られて、お亡くなりになりました」
変な胸騒ぎがして桃は尋ねた。
「詳しく聞かせてもらえませんか?」
看護婦は不思議な顔で言った。
「どんな事をですか?」
そこは、タツミの部屋とは違う個室だった。
桃が驚いて部屋を見渡すと、窓際のベッドが見えた。
シーツが綺麗に敷き直され、新しい患者の到来を待っていた。
(遅かったんだ)
桃は立ち尽くしたまま、呆然となっていた。
そこで背後から声がかけられた。
「病室、お探しですか?」
振り向くとまだ若い、見習いの様な看護婦が立っていた。
桃は口ごもりながら言った。
「ここに昨日まで入院してた人は、もう転院しちゃったんですか?」
看護婦は驚いた顔をして、それから無機質に悲しい顔をして言った、
「お知り合いの方ですか?」
「はい、奥さんに良くしてもらってたんです」
看護婦は一瞬悲痛な顔をして桃を見つめると、いたわる様な声で静かに言った。
「そうでしたか、守屋婦長に。もしかして以前小児科にかかられてた方ですか?」
「えっ?いえ、そうじゃないんですけど…」
桃は本当に何が何だかさっぱり分からなくなった。
「ご存知なかったんですね。ご主人は今朝、ご親戚に看取られて、お亡くなりになりました」
変な胸騒ぎがして桃は尋ねた。
「詳しく聞かせてもらえませんか?」
看護婦は不思議な顔で言った。
「どんな事をですか?」