「おばちゃんの旦那は明日、ここを出る事になったんだよ」

「もっと大きな都会の病院に行くのね?」
桃は言った。

おばちゃんはそのまま話を続けた。

「もうあんたとは会えなくなっておばちゃん寂しいけど、旦那の事は少しほっとしたんだよ」

そう言うと本当に嬉しそうな顔で笑った。

「そうだね、もっと大きな病院で有名な先生に診てもらった方がいいもんね」

桃もいくらか良い事を聞いて元気になった。

「あんたも頑張るんだよ!勉強も、彼氏の事もさ」

「ありがとう。おばちゃんも元気でね!」

二人とも、名残惜しそうにいつまでも手を振り合った。