泪色のキセキ


午後の授業も無事に終わり、帰り支度をしていると宗介に話しかけられる。

「七瀬、帰りは歩き?」

「うん。近くにドラッグストアとかあるかな?帰りに寄りたいんだよね…」

「じゃ、一緒に帰るか?」

「えっ?」

宗介の言葉に一瞬時間が止まった気がした。

「あ、部活!部活は?」

「今日はオフ。」

「そっか、休みか!」

いきなり、若い男子高校生と二人で帰るなんてちょっとハードル高い気もしたが、断る理由も見つからず一緒に帰ることになった。

「校門で待ってて。自転車取ってくるから」

昇降口を出ると宗介はそう言って自転車置き場の方へ歩いて行った。

自転車?!

ヲイヲイ!

二人乗りですか?!

青春やり直したいって言ったけど、一日で青春満喫しちゃっていいもんかねぇ…

中身は35歳のおばさんなのに…

宗介に申し訳ない…

なんて思ったのは一瞬だった。

いざ、宗介の自転車の後ろに乗ったら

「七瀬、ちゃんと俺に掴んでろよ。落ちてもしらねぇぞ!」

宗介の腰に巻いた自分の腕が熱を持つわ、緊張で胸が張り裂けそうだわ。

浮き心に酔ってしまってる自分がいた。