泪色のキセキ


「そう言えば何日か前に先生が言ってたな。七瀬が事故に遭って休みだって。もう大丈夫なのか?」

「うん。かすり傷で済んだから」

「そっか…何か、悪かったな」

「何で謝るの?謝るなら名前教えて教室連れていく‼」

男の子の背中を押して下駄箱から離れる。

「分かったよ。俺は橘宗介〈タチバナ ソウスケ〉改めてよろしく七瀬」

「宗介か!よろしくね宗介!」

初めての友達ゲット!

「しかし…記憶がないって言っても変わりすぎじゃないのか?」

「何が?」

「見た目と性格。360度変わったぞ」

「宗介、360度だと一周して戻ってくるんだよ。変わらないが正解じゃない?」

「あー。突っ込むのそこなんだ」 

今時の高校生の顔面偏差値高すぎて悶えるわ。

180近くある身長に清潔感漂う短髪。

鼻筋もスーと通っていて爽やかイケメンな宗介。

並んで歩くとその身長差に萌える。

玲は私よりは低めの160センチ前後かな?

「宗介は部活何かやってる?」

「あぁ。バレー部。」

「へぇ~その身長なら納得」

青春してるね。

「ねぇ、玲って部活入ってる?」

「……」

宗介は困った顔で私を見る。

「本当に何も覚えてねぇーんだな」

「…うん。何かごめんね…」

もっと玲の事、リサーチしとくんだった…

お母さんは学校の事、あまり喋ってくれなかったって言ってたし玲の日記も良心が痛んでパラパラしか見なかった。

どうせ記憶がないんだし良いかと客観的すぎたな。

「まぁ、記憶喪失ならしょうがねぇか。」

宗介の言葉に胸がチクリと痛んだ。

騙してるみたいで…後味悪い感じがした。

「まぁ、その内思い出す事もあるだろ」

肩を落とした私の頭に大きな手が乗った。

「そうだね…面倒かけますが、面倒見てください!」

頭から伝わる宗介の優しさが嬉しかった。