お参りを終えた私たちは遅めのお昼を取るために近くのファミレスへ入った。

時刻は14:00を過ぎており店内は落ち着きを取り戻しつつある雰囲気。

「今日は旦那になんて言って出てきたの?」

奥の席に通され、コートを脱ぎながら渚は私に問いかける。

「んー。渚と神社に行くって正直に言った」

「そっか。子供達は旦那が見てくれてるの?」

「そんなわけないじゃん。1番上のお姉ちゃんにお願いしてきた。旦那は朝からまた釣りだよ」

私はため息混じりに竿を振る真似をする。

「だよねぇ~。大人しく面倒なんか見ないよね。」

旦那の愚痴をよく聞いてくれる渚は分かってるかのように相槌を打つ。

私、七瀬凛は3人の子供を持つ既婚者。

人生そろそろ折り返し地点の35歳だ。

「そう言えば、1番上の子高校生でしょ?どうよ?今時のJKは?」

「JKって…あんたね。言い方がババアだよ?」

「失礼だな!独身にそんな事言わないで!」

「ごめん。悪気はあった!」

「あんたねぇ~」

渚と他愛もない会話で笑ったり、元気そうな顔を見るのが今の私にとって唯一の心休まる時だ。