泪色のキセキ


「はぁ…なんか、疲れた」

お風呂に入って、玲の部屋へ戻ると疲れがどっと襲ってきた。

家族4人で談笑しながら玲の事を沢山聞いた。

七瀬玲 5月21日産まれの17歳。

桃ケ丘高校の2年生。

真面目で優しいと両親は言っていたけど、蓮はただの弱虫で暗い奴だって言ってた。

アルバムを見ていて1つ気になっていたことがある。

玲の赤ちゃんの写真はあったけれど、蓮と写っている写真は玲が小学生になってからだったって事。

蓮の写真もその頃からしか無い。

「再婚かなぁ…」

そんな事を思いながら玲の部屋を見渡した。

キッチリと整理された部屋は少し居心地が悪い。

本棚には少女漫画が沢山あり、それに紛れて宮沢賢治の小説が並んでいた。

失礼承知でクローゼットの中、机の中を拝見させてもらう。

「…なんだか、勿体無い17歳だな」

服は殆どがズボンにトレーナー。

唯一女の子らしい服と言えば高校の制服だけだろうか…

机の中も綺麗に整理されていて、その中に日記のようなものを見つけた。

そこには思春期さながらの悩みが沢山書かれていた。

「マミちゃんと高校が離れて寂しい」

友達かな?

「高校で友達が出来ない」

それは切実な悩みだ。

「私だって、可愛くなりたいし、恋だってしたい!」

一際大きく書かれた文字に

「すればいいじゃん!!」

と、一人で突っ込んでしまう。

この子はこの子なりに悩みがあって、変わりたいって思ってるのか…

「あ…玲って夢華と同じ歳だ」

ふと自分の娘と今の自分が同じ歳だと気づく。

「ママ~聞いて!今日、友達と喧嘩しちゃって仲直りできないかもしれない」

沈んだ表情で相談してくる夢華を思い出す。

人生で1番人間関係が難しいのは中高生だったような気がするなぁ…

数日前まで当たり前にあった娘との会話を思い出し懐かしさに更けた。