鏡の中の女の子を見つめると、なんとなく見たことあるような気がした。

前髪は目にかかりそうで、背中の真ん中ぐらいまである長い黒髪。

前髪を上げるとパッチリした目が覗く。

肌も張りがあり白く綺麗だ。

いけない!

客観的に見てる場合ではなかった。

「私の体は…?」

何となく今の状況は理解できた。

心は七瀬凜だけど、体は違う人のもの。

ドラマとかで見たことはある状況だ。

まさか、現実に、しかも自分の身に降りかかるとは思いもよらなかったが…

私がこの状況なら私の体にこの子の心が。

入れ違ってるはずだ。

「この子は…私が助けようとした子?」

それならあの女の人も男の人も説明がつく。

この子の両親だ。

意外にも冷静に答えを探る自分が可笑しかった。

それと同時に神様っているんだなって思った。