寝ようと横になったものの、寝付けず。

体を起こしてトイレへ向かった。

頭が少しボーとするぐらいで、歩く足取りはしっかりしている。

本当に大きな怪我してなかったんだ…

トラックがギリギリで停まってくれたのか…

それにしても、あの女の人と男の人は誰なんだろう…

お母さんよって言われても全然違うし。

事故のせいで混乱してるだけなのかな…

今、自分の足で歩いていることを思うと夢ではない事が明確になる。

トイレへ入ると洗面台の鏡で自分の顔を見た。

「…ん?」

そこに映っていたのは見慣れた自分の顔ではなく、私よりもはるかに若々しい女の子が映っていた。

「えっ…?これ誰?」

私が手を振れば鏡の中の女の子も手を振る。

私の動きと鏡の中の女の子の動きが一点のズレもなくリンクする。

思いっきりほっぺをつねってみたが痛みが現実だと知らせる。