「君も新入生?」
君は僕に気がつくと、そうだよ、と答え、甘く微笑んだ。その顔は、桜のように儚く、牡丹のように美しかった。
春の匂いを乗せた風が、君の髪をサラサラと弄んで
過ぎていく。髪が凪ぐ度、牡丹の葉のようにツヤツヤと輝く髪。
その姿に、魅入ってしまった。
君は、
「そろそろ入学式が始まるよ。行こう。」
そう言って、僕の手を引く。
この時から僕は、君と生きていきたいと
思ったんだ。

きっとこれを、一目惚れというんだ。