「歩君」 名前を呼ばれて振り向くと 同じように涙を浮かべている 綾奈の両親の姿があった。 「ちょっと聞いてほしい話があるの。 蓮君も陸君も一緒に来てくれる?」 本当は綾奈と一緒にいたい。 綾奈の目が覚めるまでずっと傍にいて、 見守っていたい。 でもそう思っているのは 俺だけじゃない。 こんなときにされる話だ。 きっと綾奈のこと… 黙って頷いて 綾奈のそばから離れた。