お母さんには悪いけど私にはうまく理由を答えられなかった。 ただ動いただけなんだ。 傘を置いてきたと聞いて、姿を見て。 そしたら勝手に体が動いていた。 『置いてきたみたいだな』 そう言っていたのは他の誰でもない新田くんだった。 きっと他の人だったら私は傘を貸したりなんてしなかっただろう。 だってそれは私にも必要なものだから。 でも、どうしてか。 彼の姿を見た瞬間動いていた。 でもその理由は私にも分からない。