「持ってたさ。けど来る途中に置いてきたみたいだな」 「そんな他人事な」 「どーすっかなぁ……」 私は人見知りだ。 それも極度の。 成るべくなら誰ともかかわりたくないと思ってる。 「これ」 その二文字が限界だった。 傘を置いてきたと言う彼に折りたたみを押し付けてダッシュで一番近くのお手洗いに駆け込む。