「うん。まさかそんな真面目に返してくるなんて思ってもいなかったよ」 「そ?で?三咲はいつまで“それ”持ってるの?」 我が友が指差す“それ”。 その正体は昨日の課題の成果だ。 午後の授業は二限をくっつけての自作譜面評論会が開催された。 この時ばかりは人見知りだなんだとは関係なく、一人一人がクラス全員の前で自ら起こした譜面を音に変換していく。 それ自体は吐きそうなくらいの苦痛でしかなかった。 「むふふふふ」 「こわ」