「今日はお忙しい中演奏会へお越しいただき誠にありがとうございました。
私たちの演奏はいかがでしたか?
今日、お越し下さった方々に、お好きな音色が見つかったなら嬉しいです。
プログラムは以上で終わりとなりますが最後にもう一つ、あと一曲弾かせて頂いてもよろしいでしょうか?」
パチパチパチパチ。
新田くんの言葉に、再びホール中に拍手が響く。
「ありがとうございます。では、佐倉三咲さん。前へ」
すごいなぁ。
新田くんレベルになるとそんなサプライズもできちゃうんだ。
呑気にそんなことを考えていると何故か名前を呼ばれた。


