あなたが居なくなった日。


「〜〜〜」

とても綺麗な音だ。

しばらく聴いていなかった新田くんの音色はあいも変わらず美しい。

スっと耳に溶けてストンと心に落ちる音にとても満たされる。

「〜……」

パチパチパチパチ。

ピアノの音が終わり、少しの沈黙を経て大きな拍手がホール中を包み込む。

そんな中、新田くんは椅子から立ち上がるとお辞儀をしてから口を開けた。