「あ、どーする?一番前が空いてるよ?」 「いいのかなぁ?」 「空いてるしいいんじゃない?」 私たちはコソコソしながら最前列の一番端っこ。 奏者の登場口側に座った。 「それではこれより、我が校特進クラスによる演奏を始めて参ります。 先ず、我が校の特進クラスですが……」 一般クラスとは違い、先ずはクラスの特徴を述べる言葉を挟んでから演奏が始まった。 プログラムによれば新田くんの出番は一番最後。 私は、七人目まではただ集中して音を楽しんだ。