「三咲」 防音壁に囲まれた無音の部屋に、彼が呼ぶ私の名前だけが響く。 「僕はキミが好きだ」 多分、その言葉に世界全体が止まったと思う。 「待って!」 「うん」 私の制止に新田くんは素直に待てをしてくれる。 けど困ったな。 待ってとは言ったけど……、待ってもらったところで私には言葉が見つからない。 そのまま無音の時間は刻々と過ぎていき。