ふと、迷う。 鍵……。 今日は新田くんにきっと会える。 『待ってる』 誰もその言葉に触れる人はいなかったけど、私には確かに聞こえた。 だからきっと新田くんは来てくれる。 私は鍵を取りに行かずにそのまま練習室へと向かう。 だって、新田くんが言ったんだ。 『待ってる』と。 ならきっと、彼はもう練習室にいるだろう。 私はそう確信した。