あなたが居なくなった日。


「うん。実は普通の学校と迷ってたんだよね。

ほら、こういう特殊な学校ってやりたい事を叶えるためには最短かも知れないけど保険って言うか保証っていうか、逃げ道みたいなのってなくなるじゃん?

でも先輩たちの演奏を聴いてここに通いたいって思ったの。

みんなそれぞれに奏でる音が違って、でもそのどれもが心を揺さぶって。

それにみんな真剣なのに楽しそうだった。

強張った雰囲気の中にワクワクした気持ちも見えた気がした。

その人たちがどんな場所でどんな風にピアノを勉強しているのか知りたくなった。

それは私がやりたいことにとても役に立つって確信した。

だから私はこの学校を志望したの」