「そんなこと言われたってねぇ。 別に好きで緊張してる訳じゃないもん」 「そりゃそうだろうけどさー。でも分かる。 今回ばかりは私も緊張してる」 やっぱり楓も緊張していたのか。 「発表会とは違う緊張感があるよね」 「分かる。発表会は所詮さ、評価されるのは自分だけだけど。 今回の演奏会は学校の評価に繋がるからね。 私だって一昨年の演奏会を聴いてこの学校に決めたもん」 「そうなの?」