「ありがとうとか、私に会えてよかったとか。 お別れするみたいな事を言ってたの。でもね?それは聴いたんだよ? なんだかお別れの言葉みたいだねって。そしたらね? 新田くんは笑って言ってたの。これがいつもの僕だって。 言える時に言いたかっただけだって。 でも、その日を最後に私は新田くんに会えてない」 意味もなく目が潤みそうになって、思わず楓から顔を逸らした。 たまたま視界に入った外のは、暗灰色の雪にそれでも明るく反射した眩しすぎる陽の光だった。 「もうさ、会いに行っちゃおうか」 「え?」