「来なかった」 その一言で友は全てを察してくれた。 「どうしたんだろうね?」 「もしかしたら冬休み前が最後だったのかもしれない」 「でも何にも言われてないんでしょ?」 楓に言われて振り返る。 あの日の帰り際、新田くんは特に何も言っていなかった。 これで終わりだとか、次はいつだとか。 特別なことは何も言っていなかった。 ただ、いつものように『ばいばい』と手を振っていただけ。