ーーー ポーン……。 「ふぅー……」 鍵盤から指を離した私は時刻を確認した。 見えた時間は十二時十五分。 鍵を借りてから一時間弱経った計算になる。 「帰ろう」 私はわざとらしくゆっくりと譜面をカバンへしまう。 それからゆっくりと鍵盤カバーをかける。 ゆっくりと蓋を閉めて。 もう一度時間を確認。