あなたが居なくなった日。


「なんか思ったよりは嬉しくないかも」

「なになに?聞くよ?で?今日は行かないんでしょ?」

ああ、そうだった。

タックルの衝撃で返事をするのを忘れてた。

「行かない。ってか今日は開放してないしね」

「おーけー。じゃあご飯行こ」

楓の言葉に、私はコクリと頷いてから帰り仕度を整える。

といっても殆どのものはすでに持ち帰ってあるし鞄に入っているのは念のための筆記用具と成績表、そしてスマホとお財布のたったそれだけで。

いやに軽い鞄に何だか少し物足りないような、寂しいような、不思議な感覚を覚えた。