私はただ新田くんの歌声が好きで聞いているだけ。 ただそれだけなのに、新田くんはそんな小さな関係の中でそんなことを思っていたなんて。 やっぱり天才ってなんかすごい。 「ってことで、僕は三咲にはとても感謝してるんだ。 こうやって僕を見つけてくれた。 あの時、三咲が傘を貸してくれなかったら僕はそれに気づけないままだった。 三咲、いつもありがとう」 「ありがとうだなんて……」 なんと言えばいいのか分からなかった。 「僕は三咲と出会えてよかったって本気で思ってる」